取引プラットフォームのMT4（MetaTrader 4）とMT5（MetaTrader 5）における注文の種類は、大きく分けて「成行注文、指値注文、逆指値注文、指値逆指値注文」があります。
価格を指定せずに、現在の市場価格で即時に取引をしたい場合は、成行注文です。
価格を指定して、市場価格が設定した価格に到達したときに取引をしたい場合は、指値注文や逆指値注文です。
その他、価格が含み益の方向へ動くと、指定した幅だけ自動的にストップロス価格を調整するトレーリング・ストップ決済注文もあります。
この記事では、MT4とMT5で利用可能な注文取引の種類について解説します。
成行注文（Market Order）
成行注文とは、現在の市場価格で即座に取引が成立する注文です。即時注文、Market Order、マーケット実行、カウントダウン注文など、複数の読み方があります。
今すぐ注文したいときや市場価格の変動が大きく、素早く注文したいときに適した注文方法です。
新規注文と決済注文、どちらでも成行注文が可能です。
新規注文の成行注文は、注文数量（ロット数）を入力後に「成行売り（Sell）」「成行買い（Buy）」のどちらかのボタンを押すことで、すぐに取引が成立（約定）します。
決済時の成行注文は、保有するポジションからクローズオーダーを選択して、市場価格で決済のボタンを押すと、すぐに決済されます。
各取引プラットフォームや端末で成行注文（新規注文と決済注文）をする方法は、下記の関連記事で解説しています。
ワンクリックトレード
ワンクリックトレードとは、その名の通りワンクリックで成行注文の取引ができるボタンです。
スマートフォンであればMT5アプリのみ、パソコンであればMT4とMT5の両方でワンクリックトレードに対応しています。
スマホ対応MT5アプリ、パソコン対応MT4/MT5でワンクリックトレードする手順は、下記の関連記事で解説しています。
指値注文（Buy Limit と Sell Limit）
指値注文は、価格を指定して逆張りの注文をするときの注文方法です。予約注文の一種です。
指値注文は、Buy Limit（指値買い）とSell Limit（指値売り）の2種類があります。
- Buy Limit（指値買い）： 現在価格よりも低い価格を指定して買う注文
- Sell Limit（指値売り）： 現在価格よりも高い価格を指定して売る注文
Buy Limit（指値買い）とは、市場価格が現在よりも下落したときに買う注文方法です。例えば、現在のドル円価格が100.00円で、99.00円に下落したときに買い注文をしたい場合はBuy Limitを選択します。
Sell Limit（指値売り）とは、市場価格が現在よりも上昇したときに売る注文方法です。例えば、現在のドル円価格が100.00円で、101.00円に上昇したときに売り注文をしたい場合はSell Limitを選択します。
決済注文の場合は、価格が有利な方向へ動き利益が出る価格で決済することを決済指値注文と言います。
各取引プラットフォームで指値注文をする方法は、下記の関連記事で解説しています。
逆指値注文（Buy Stop と Sell Stop）
逆指値注文は、価格を指定して順張りの注文をするときの注文方法です。予約注文の一種です。
逆指値注文は、Buy Stop（逆指値買い）とSell Stop（逆指値売り）の2種類があります。
- Buy Stop（逆指値買い）： 現在価格よりも高い価格を指定して買う注文
- Sell Stop（逆指値売り）： 現在価格よりも低い価格を指定して売る注文
Buy Stop（逆指値買い）とは、市場価格が現在よりも上昇したときに買う注文方法です。例えば、現在のドル円価格が100.00円で、101.00円に上昇したときに買い注文をしたい場合はBuy Stopを選択します。
Sell Stop（逆指値売り）とは、市場価格が現在よりも下落したときに売る注文方法です。例えば、現在のドル円価格が100.00円で、99.00円に下落したときに売り注文をしたい場合はSell Stopを選択します。
各取引プラットフォームで逆指値注文をする方法は、下記の関連記事で解説しています。
逆指値指値注文（Buy Stop Limit と Sell Stop Limit）
逆指値指値注文（ストップリミット注文）は、指定した価格に到達した場合に、指値注文が有効になる注文方法です。予約注文の一種です。
逆指値指値注文は、Buy Stop Limit（逆指値指値買い）とSell Stop Limit（逆指値指値売り）の2種類があります。
- Buy Stop Limit（逆指値指値買い）： 現在価格よりも高い価格に到達した場合に有効となる指値買い注文
- Sell Stop Limit（逆指値指値売り）： 現在価格よりも低い価格に到達した場合に有効となる指値売り注文
ストップリミット注文は、「いくら以上になったら、この価格で買いたい」「いくら以下になったら、この価格で売りたい」ときに使います。
例えば、レジスタンスラインに価格が到達したときにトリガーを発動させ、押し目買いの注文をしたいときなどに活用できます。
ストップリミット注文は、取引プラットフォームのMT5のみが対応しています。
トレーリング・ストップ注文（Trailing Stop Order）
トレーリング・ストップ注文（T/S）とは、利益が出る方向へ動くにつれ、自動的にストップ価格が更新されていく決済注文です。トレイリング・ストップやトレール注文とも言われます。
設定した値幅を維持しながら、含み益方向へ自動的に決済価格が更新されていくので、ポジションの利益を保護しつつ利益を伸ばしたいときに活用できます。
トレンドラインに沿って利益が伸びている相場で応用できます。
トレーリング・ストップ注文は、パソコン対応のMT4かMT5のみ可能です。
通常の決済注文とは異なり、MT4やMT5画面を閉じたり、パソコンの電源を切っているオフライン状態では、トレーリング・ストップ注文は機能しない点には注意が必要です。
トレーリング・ストップ注文の手順
トレーリング・ストップ注文は、パソコン対応のMT4かMT5のポジションを右クリックして「トレイリング・ストップ」を選択し、ポイントを設定するだけで注文できます。
ポイントは、pipsとは異なります。例えば、50ポイントは5pipsです。5pipsの幅でストップ注文が更新されます。
「カスタム設定」から、ご希望のポイントを設定することも可能です。100ポイントは、10pipsです。
トレーリング・ストップ注文をキャンセル（削除）したい際は、ポジションを右クリック→「トレイリング・ストップ→すべて削除」をクリックして、「はい」を選択すれば削除できます。
MT4/MT5の新規注文と決済注文時のよくある質問と回答
注文ボタンがグレー色で押せません
新規注文の注文ボタンがグレー色で押せない理由は、下記のいくつかに該当します。
- 取引時間外
- 注文したい銘柄を気配値に表示していない
- 口座タイプに合った銘柄を選択していない
- 証拠金不足
- 表示されたポイント以上の幅で価格を指定していない
- 注文種別に対する入力価格が間違っている
- 注文ロット数が適切ではない
- 先物CFDにおいて取引可能な限月が過ぎている
- 口座が凍結している
特に、「注文種別に対する入力した価格が異なる」ことが原因が多いです。
例えば、Buy Limit注文を選択しているのに、現在価格よりも高い価格を設定していると注文ボタンは押せません。Buy Limit注文を選択した場合は、現在価格よりも低い価格を設定する必要があります。
チャートが表示されません
ログインしている口座タイプと表示しているチャートが一致していないことが原因です。注文できないときも同様です。
口座タイプごとのチャートは、下記の項目を選択します。
- Micro口座： 「通貨ペア名micro」（通貨ペアの後ろに「micro」表示の銘柄を選択すること）
- Standard口座： 「通貨ペア名」のみの表示
- Zero口座： 「通貨ペア名.」（通貨ペアの後ろに「.」表示の銘柄を選択すること）
- KIWAMI極口座： 「通貨ペア名#」（通貨ペアの後ろに「#」表示の銘柄を選択すること）
「数量」とは何ですか？
注文数量は、ロット数で入力します。XMTradingの場合は、1ロット＝10万通貨です。FXであれば、0.01ロット（1,000通貨）単位で注文できます。FX以外のCFD銘柄は、銘柄により最小ロットが異なります。
1通貨とは、例えば、ドル円が1ドル100円の場合、100円です。10通貨は1,000円、150通貨は1万5千円、1,000通貨は10万円、10万通貨は1千万円です。つまり、1ロットの注文であれば、1千万円分の取引をする意味と同じです。
XMTradingは、最大レバレッジ1000倍なので、1千万円÷1,000の計算により1ロットは1万円の必要証拠金であり、口座に1万円以上あれば1ロットが取引でることを意味します。
指値注文や逆指値注文はMT4やMT5を起動していなくとも約定されますか？
はい、オフラインの状態でも注文済みの指値注文や逆指値注文は、指定された価格になると注文が執行され約定されます。予約注文と同じです。
ただし、トレーリング・ストップ注文は、オフラインでは機能しません。
分割決済はできますか？
はい、できます。ワンクリック決済はせずに、決済画面で数量を指定すると数量分の決済ができます。
注文の取り消しはできますか？
はい、まだ約定されていない注文の取り消しは可能です。注文画面を開き取消ボタンを押します。
新規注文と同時に損切りと利益確定の価格を設定できますか？
はい、できます。設定した価格に現在価格が到達すると注文が執行されます。
損切りを設定したい場合は、注文画面の「決済逆指値・ストップロス・Stop Loss・S/L」の何れかの表記項目に損切りしたい価格を入力します。
利益確定を設定したい場合は、注文画面の「決済指値・テイクプロフィット・Take Profit・T/P」の何れかの表記項目に利益確定したい価格を入力します。
ワンクリックトレードボタンを消すにはどうすればいいですか？
パソコン対応MT4/MT5でワンクリックトレードボタンを消すには、消したいチャートを選択したあとにAlt+Tボタンを押すか、右クリック→ワンクリックトレードをクリックすると消えます。
スマートフォン対応MT5で消したい場合は、チャート画面右上のアイコンをタッチするとオンオフの切り替えができます。
MT4とMT5の注文取引の種類まとめ
- 新規注文の種類には、「成行注文、指値注文、逆指値注文、指値逆指値注文」がある
- 成行注文は、「即時注文、Market Order、マーケット実行、カウントダウン注文」など、複数の読み方がある
- すぐに現在価格で注文したい場合は、成行注文を使う
- ワンクリックトレードボタンを表示させておくと、成行注文が簡単になる
- 指値注文は、「リミットオーダー、リミット注文」の読み方もあり、利益確定の決済も指値注文である
- 価格を指定して逆張りで注文したい場合は、指値注文を使う
- 逆指値注文は、「ストップオーダー、ストップ注文」の読み方もあり、損切りの決済も逆指値注文である
- 価格を指定して順張りで注文したい場合は、逆指値注文を使う
- 逆指値指値注文（Stop Limit Order）は、指定した価格に現在価格が到達したときに、指値注文が有効になる注文方法
- 押し目買い、戻り売りの場面でストップリミットオーダーが活用可能
- トレーリング・ストップ注文とは、自動的にストップ価格が更新される決済注文の一つ
- トレンド相場のときに利益を伸ばすために活用できる