一目均衡表とは、「買い方と売り方の均衡が崩れた方向に相場が動く」という考えに基づいて、1935年(昭和10年)に日本人によって発表されたチャート分析法の一つです。
一目均衡表は、「転換線、基準線、先行スパン1(A)、先行スパン2(B)、遅行線」の5本の線で構成されています。
転換線は、短期的な相場の方向性。基準線は、中期的な相場の方向性。遅行線は、現在価格との交差で相場転換指標。2本の先行スパンに囲まれた部分は網目模様の「雲」と呼ばれ、トレンドの方向性や支持線・抵抗線の役割をそれぞれしています。
この記事では、一目均衡表の表示方法と使い方について画像付きで解説しています。
MT4/MT5で一目均衡表を表示する手順
パソコン対応MT4/MT5で一目均衡表を表示する手順
一目均衡表をチャートへ適用する
MT4画面左側のナビゲーター枠にある「インディケータ → トレンド → Ichimoku Kinko Hyo」を選択し、一目均衡表を適用させたいチャートへドラッグ・アンド・ドロップ(左クリックを押しながら移動して左クリックを離す操作)をします。
設定は変更せずに「OK」ボタンをクリック
設定画面が開きます。一目均衡表は、日足のチャートでそのままの数値設定で使うのが基本ですので、何も変更せずに「OK」ボタンを押します。
もし、各線の色変更をしたい場合は、「色の設定」タブから線の太さや色を変更できます。
以上の操作で、チャートに一目均衡表を表示することが完了です。
一目均衡表を削除したい場合は、チャートの上で右クリックをして、「表示中のインディケータ(MT5は、「インディケータリスト」)→ Ichimoku Kinko Hyo → 削除ボタンをクリック」で削除できます。
スマートフォン対応MT4/MT5で一目均衡表を表示する手順
スマートフォンの場合は、iPhone対応、Android対応において、MT4とMT5すべて共通の操作方法です。
「f」アイコンをタッチ
MT4やMT5アプリを起動して、チャート画面上に表示された「f」アイコン(インジケーターアイコン)をタッチします。
メインウィンドウをタッチ
「メインウィンドウ」をタッチします。(MT5の場合は、メインウィンドウ右側の+アイコンをタッチします)
Ichimoku Kinko Hyoをタッチ
インディケータ追加画面にて「 Ichimoku Kinko Hyo」をタッチします。
完了をタッチ
基本設定で日足チャートで使用するのが一般的なので、変更せずに「完了」をタッチします。
以上の操作で、スマートフォン対応MT4/MT5でも、一目均衡表をチャートへ表示できます。
一目均衡表を削除したい場合は、チャートの上でタッチして「インディケータ → Ichimoku Kinko Hyoを左へスワイプ → 削除をタッチ」することで削除できます。
一目均衡表の見方
一目均衡表は、「転換線、基準線、先行スパン1(A)、先行スパン2(B)、遅行線」の5本の線で構成されています。このうちの先行スパンと言われる2本の線に囲まれた網目模様は、「雲」と呼ばれます。
- 転換線
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過去9日の高値と安値の中間値です。(過去9日間における最高値+同最安値)÷2
- 基準線
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過去26日の相場の高値と安値の中間値です。(過去26日間における最高値+同最安値)÷2
- 先行スパン1(A)
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基準線と転換線の中間値を26日先に先行した線です。{(転換値+基準値)÷2}を当日を含めた26日先に表示
- 先行スパン2(B)
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過去52日間の中間値を26日先に先行した線です。{(過去52日間における最高値+同最安値)÷2}を当日を含めた26日先に表示
- 遅行線
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当日の終値を26日前に表示した線です。
- 雲
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先行スパン1と先行スパン2の間の領域です。
一目均衡表を活用した取引例・使い方
一目均衡表の「買い方と売り方の均衡が崩れた方向に相場が動く」という基本の考えを基に、5本の線と現在価格の動向によって、下記の5つのシグナルがあります。
- 転換線と基準線: 転換線が基準線をどちらの方向へ抜けたかで売買を判断
- 基準線: 基準線の向きでトレンドを判断
- 雲と現在価格: 現在価格が雲の上か下かによってトレンドの方向性を判断
- 遅行線と現在価格: 遅行線が価格をどちらの方向へ抜けたかによって売買を判断
- 三役好転と三役逆転: 「転換線と基準線」「現在価格と雲」「遅行線と現在価格」の3つの条件がすべて揃うことで判断
ただし、一目均衡表は、「だまし」と言われる売買シグナルとは反対の値動きになることが発生しやすいです。
そのため、一目均衡表のみで売買するのではなく、MACDやRSI、移動平均線やエンベロープなどの他のインジケーターと組み合わせての利用が推奨されます。
転換線と基準線
- 買いシグナル: 転換線が基準線を下から上へ抜ける
- 売りシグナル: 転換線が基準線を上から下へ抜ける
過去26日間の基準線と過去9日間の転換線の高低による売買シグナルです。転換線の上抜けは買い傾向が強く、下抜けは売り傾向が強まっていることを表しています。
基準線
- 買いシグナル: 基準線が上向く
- 売りシグナル: 基準線が下向く
過去26日間の移動平均線が上昇トレンドなのか、下降トレンドなのか、による売買シグナルです。
雲と現在価格
- 買いシグナル: 現在価格が雲の上にあるときは、上昇トレンド
- 売りシグナル: 現在価格が雲の下にあるときは、下降トレンド
現在価格が網目模様の雲の上か下かによってトレンドを判定するシグナルです。
雲は、支持線や抵抗線の役割を果たし、雲の厚みは抵抗力の強弱を表しています。雲が薄いと抵抗力は弱く、価格は雲を抜けやすいです。逆に、雲が厚いと抵抗力が強く、価格が雲を抜けにくい指標になります。
2本の先行スパンが交差する雲のねじれが起きると、ボラティリティ(価格の値動き)が狭くなっていることを示します。そして、価格が雲を抜けるとトレンドが転換する指標です。
遅行線と現在価格
- 買いシグナル: 遅行線が価格を下から上へ突き抜ける
- 売りシグナル: 遅行線が価格を上から下へ突き抜ける
遅行線が、価格をどちらの方向へ抜けたかによる売買シグナルです。
遅行線は、チャートの26日前(現在のローソク足から26本のローソク足の前)に表示されます。そのため、現在価格と売買シグナルが出た位置では大きく異なることがあります。
三役好転と三役逆転
- 強い買いシグナル: 「基準線より転換線が上」「雲の上に現在価格」「現在価格の上に遅行線」の3つの上限がすべて揃うと三役好転
- 強い売りシグナル: 「基準線より転換線が下」「雲の下に現在価格」「現在価格の下に遅行線」の3つの上限がすべて揃うと三役逆転
3つの条件がどちらに全て揃うかによって強い売買シグナルの指標となります。
遅行線は26日前に表示されるので、26日前の遅行線が価格の上か下にあるかによる判断基準です。
一目均衡表の使い方まとめ
- 表示方法は、PC対応MT4やMT5の場合、適用させたいチャートにIchimoku Kinko Hyoをドロップ
- スマホ対応MT4やMT5で表示するには、「ƒ」→メインウィンドウ→Ichimoku Kinko Hyoの順にタッチ
- 日足チャートで基本設定のまま使うことが推奨される
- 転換線、基準線、先行スパン1(A)、先行スパン2(B)、遅行線」の5本の線で構成
- 5つのシグナルを活用
- 1. 転換線と基準線: 転換線が基準線をどちらの方向へ抜けたかによって売買を判断
- 2. 基準線: 基準線の向きでトレンドを判断
- 3. 雲と現在価格: 現在価格が雲の上か下かによってトレンドの方向性を判断
- 4. 遅行線と現在価格: 遅行線が価格をどちらの方向へ抜けたかによって売買を判断
- 5. 三役好転と三役逆転: 「転換線と基準線」「現在価格と雲」「遅行線と現在価格」の3つの条件がすべて揃うことで判断
- 一目均衡表だけではなく、他のインジケーターと併用して売買することが推奨される