エンベロープ(Envelopes)とは、移動平均線から上下に乖離させた線で、移動平均線から現在価格がどのくらい離れているかを可視化し、エンベロープの向きや価格がどの位置にあるかによって売買の判断を行う指標です。
現在値が設定したエンベロープ偏差の外にある場合は、移動平均線から乖離し過ぎと判断し、逆張り取引の指標となります。
また、トレンド相場においてエンベロープ中央値で順張り取引をして、エンベロープ偏差値に価格が接触で決済という取引指標もあります。
この記事では、MT4やMT5でエンベロープを表示する方法や設定、エンベロープを取引で活用する使い方を解説しています。
MT4/MT5でエンベロープを表示する手順
パソコン対応MT4/MT5でエンベロープを表示する手順
Envelopesをチャートへ適用する
MT4画面左側のナビゲーター枠にある「インディケータ→トレンド→Envelopes」を選択し、Envelopesを適用させたいチャートへドラッグ・アンド・ドロップ(左クリックを押しながら移動して左クリックを離す操作)をします。
設定をして「OK」ボタンをクリック
設定画面が開くので、「パラメーター」タブ画面で「期間、種別、偏差」をご希望のものへ変更して、「OK」ボタンを押します。
「色の変更」タブからは、Envelopesのラインの幅や色を変更できます。
以上の簡単な操作で、エンベロープ(Envelopes)をチャートへ表示できます。
スマートフォン対応MT4/MT5でエンベロープを表示する手順
スマートフォンの場合は、iPhone、Android、MT4、MT5において、すべて共通の操作方法です。
「f」アイコンをタッチ
MT4やMT5アプリを起動して、チャート画面上に表示された「f」アイコン(インジケーターアイコン)をタッチします。
メインウィンドウをタッチ
「メインウィンドウ」をタッチします。(MT5の場合は、メインウィンドウ右側の+アイコンをタッチします)
Envelopesをタッチ
インディケータ追加画面にて「Envelopes」をタッチします。
設定をして完了をタッチ
ご希望の設定をして「完了」をタッチします。
以上の簡単な操作で、エンベロープ(Envelopes)をチャートへ表示できます。
エンベロープの設定値
エンベロープの期間
エンベロープは、移動平均線からどのくらいの乖離があるかを視覚化する指標なので、エンベロープの期間も普段利用している移動平均線の期間と同じにした方が使いやすいです。
例えば、25MA、75MAの移動平均線を使用しているのであれば、エンベロープの期間も25や75とします。
エンベロープの偏差
エンベロープの標準偏差は、移動平均線からの乖離を表します。
表示しているチャートの時間足、ボラティリティによっても、それぞれ設定する偏差が異なってきます。
チャートに合っているかを調整しながら偏差を設定することが推奨されます。エンベロープに価格が接触して反転するところで偏差を調整します。
以下は、期間25の場合の参考値です。通貨ペアや銘柄のボラティリティによっても偏差の値は前後します。
表示時間足 | エンベロープの偏差例(期間25の場合) |
---|---|
5分足 | 0.03 ~ 0.10 |
15分足 | 0.10 ~ 0.20 |
1時間足 | 0.20 ~ 0.50 |
4時間足 | 0.50 ~ 0.80 |
日足 | 0.80 ~ 3.00 |
エンベロープの使い方
エンベロープを取引に活用する方法は、主に下記の2種類があります。
- 偏差の外から逆張り
- トレンド相場での順張り
偏差の外から逆張り取引
価格が設定した標準偏差の外に到達した終値で、逆張りによる取引が可能です。
価格がエンベロープ中央値の移動平均線に到達したら利益確定や損切り等の取引ができます。
また、エンベロープの外に終値がある場合は毎回ナンピン(買い増し、売り増し)して、終値がエンベロープの内側に入ったときに決済する取引もできます。
以下の画像は、逆張りの取引例です。
トレンド相場での順張り取引
上昇トレンドや下落トレンドのトレンド相場のときに、エンベロープ中央値(移動平均線)で順張りを行い、エンベロープに終値が接触したタイミングで決済する取引が可能です。
以下の画像は、エンベロープ順張りの取引例です。
エンベロープの使い方まとめ
- 表示方法は、PC対応MT4やMT5の場合、適用させたいチャートにEnvelopesをドロップ
- スマホ対応MT4やMT5で表示するには、「ƒ」→メインウィンドウ→Envelopesの順にタッチ
- 期間は、普段使用している移動平均線の期間と同じが良い
- 偏差は、チャート時間足や通貨ペア、その時の相場のボラティリティによっても異なる
- Envelopesを取引に活用する方法は、偏差の外から逆張り取引とトレンドに沿って順張り取引の2種類